鈴木直道知事は30日の定例記者会見で、千歳市で次世代半導体の量産化を目指すラピダス(東京)の工場設立に合わせ、北海道大学を半導体の教育研究拠点にする計画が28日、内閣府の支援事業に選ばれたことについて、「本道への半導体関連産業、そして研究機関の集積、それを支える人材育成を一体的に進めることによって、北海道の経済の持続的な発展と雇用の創出につなげていきたい」との姿勢を示した。 北大に新設する研究施設を道内の他大学や高等専門学校、企業に開放するなど産学官の連携を強め、北海道を国内有数の集積地にする構想だ。道と札幌市、千歳市が申請し、「地方大学・地域産業創生交付金事業」に採択された。これにより、2025年度から5年間で総額35億円規模の国費や補助金が投じられる見込みとなっている。 知事は採択された事業について、「札幌市、千歳市とも連携し、さらには北大、公立千歳科学技術大学のリソース(資産、力量)を活用することで、半導体人材の育成と研究開発を一体的に進めていくものだ」と説明した。 ラピダスが進める次世代半導体の製造に合わせて、「製造のみならず、研究、人材育成の複合拠点の実現を北海道として目指している」と強調。この複合拠点の実現へ向けた「中核的な事業と考えている」とし、「この採択を国から頂けたというのは大変ありがたい」と語った。 また、知事は「北海道は『GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン』の案においても、GX型の産業構造の転換につなげていく地域ということで、経済産業省の国家戦略としても取り上げていただいている」と指摘。そうした中で、今回採択された事業を進めていくことで本道経済の発展、活性化につなげていくことに意欲を示した。