観光農園を経営していた「西山ファーム」(岡山県赤磐市、破産)が投資名目で多額の資金を不正に集めたとされる事件で、愛知県警は13日、詐欺容疑で、元代表山崎裕輔容疑者(43)を逮捕した。同容疑者は約4年にわたり逃亡。潜伏先のインドネシアで現地当局に身柄を拘束され、県警が捜査員を派遣、引き渡しを調整していた。
同社は全国の約930人から総額約133億円を集めたとされる。県警は山崎容疑者が主導したとみて、資金の流れなどを調べる方針。
同容疑者は元幹部ら5人と共謀し、2018~19年、30代の会社員女性に「配当を毎月得られる」などとうそを言い、計約780万円をだまし取った疑いが持たれている。
西山ファームは15年夏ごろから、「クレジットカード決済で果物などを購入してくれれば、海外に転売し利益を上乗せして返金する」などとうたい、事業への投資を募っていたが、19年2月ごろに事実上破綻。県警が同5月に関係先を家宅捜索していた。
インドネシア当局によると、山崎容疑者は今年1月31日、ボートでマレーシアに不法入国しようとしたところを発見された。20年2月に日本から香港に出国後、タイやトルコなどを経て21年4月にインドネシアに入国。短期滞在ビザを取得し、ジャカルタ近郊の工場で働くなどしていたという。
事件を巡っては、元幹部ら5人が21年10月に逮捕され、出資法違反罪(預かり金の禁止)で有罪判決を受けた。県警は同容疑者を国際手配し、行方を追っていた。