2月にカナダのケベック州で開かれた小学年代の国際アイスホッケー大会「第63回ケベック国際ピーウィーホッケートーナメント」。日本選抜に苫小牧から7人が選出され、海外勢相手に奮闘した。結果は1回戦で敗退したが、世界レベルでの貴重な経験から大きな収穫を得た。
大会には世界から15カ国、約120チームが参加した。日本は上から2番目の「AAエリート」カテゴリーで28チームによるトーナメントを展開。初戦でセイント・フランシス・ブリザード(カナダ)に0―1で惜敗。敗者復活戦でもフレンチ・カレッジ(同)に0―8で敗れた。
日本選抜は本大会の2試合に加え、米国やハンガリーなど数カ国と計15回の練習試合をこなし、3勝14敗で長期遠征を終えた。
苫小牧から選抜入りを果たしたのはBLUEサンダーズのDF佐々木翔色、FW山口礼恩、橋本暉大(以上ウトナイ6年)、花井颯(沼ノ端6年)、苫小牧WESTアイスキングのFW岩田琥太郎(北星6年)、バーニングバレットのGK谷奏甫(美園6年)、レッドスターズのDF八田幸興(豊川5年)の7人。「海外選手のプレッシャーのスピードに大きな差を感じた」と口をそろえた。
FWはプレッシャーに苦戦しゴールが遠かった。副主将を担った岩田は「手応えのあるシュートは何本か打てたが、海外選手は威力とコースを狙う正確性がはるかに上だった」。山口は「体格差やスキル、スピード感全てが全然違ったが最後まで諦めず戦えた」と胸を張った。「とても1人で運んで攻めることはできず、いかに速いパス回しで攻めるかが課題だった」と花井。橋本は「海外選手は勝利への気持が強く、そのままプレーに表れていていた」とそれぞれが思いを語った。
DF陣はバトルの厳しさを痛感。佐々木は「攻撃の起点になるパス出しは良かったが、1対1の戦いは全く通用しなかった」。八田は「海外では普段からポジション争いに必死で、競争心が強いと感じた」と語った。
GKの谷は「勝ちに対する考え方の意志統一がすごく、チームプレーの重要性を感じた。海外選手はゴール前の泥くささが印象的で、GKごとゴールに押し込んでいく勢いで攻めてきた」と振り返った。
チームを率いた黒川太郎監督は「FWは攻撃の中心として躍動した。国内にいるみたいに攻撃できず苦しんだと思うが、良い連係プレーを見せていた。DFは体格差がある中で必死にGKを守ろうと奮闘した。GKも海外選手の力強いシュートに好セーブで応じていた。貴重な経験だったと思う。今後のキャリアに生かしてほしい」と苫小牧メンバーの活躍を称賛した。