東胆振の小学生バレーボール競技者の人口減少が止まらない。今年1月の北海道選抜優勝大会を最後に6年生が公式戦から退いた。残された5年生以下は、今月上旬の苫小牧地区新人大会時点で7チーム52人と記録が残る過去18年で最少。さらに、同大会を最後に植苗VCが消滅した。試合を行う上で最少人数の6人に満たないチームもあり、競技に取り組む児童の掘り起こしは急を要している。
例年であれば来季の勢力図を占う期待にあふれた新人戦には寂しさが漂った。男女混合の部は4チームとそろったものの、昨秋の道南地区大会予選時に5チームが参戦していた女子の部は、わずか1。選手数が6人に満たない植苗と早来アクティブは、タッグを組んで出場を模索したが人数不足のため、他チーム選手のレンタルを受けるオープン参加になった。
東胆振の競技者は2006年に141人を数えた後、09年に100人の大台を割った。拓勇BRAVEが男子チームを創設した14年に118人と一時的に回復傾向となったものの、17年からは毎年十数人単位で減少を続けている。
昨年に東胆振からチームが消滅した男子を尻目に、毎年複数チームが各種大会に参戦するなど安泰に見えた女子。各チームで6人に満たない少数男子に活躍の場を与えるため、14年の全日本小学生大会から男女混合の部が新設されるなどしたが、現在は「女子選手の救済にもなってしまった」と苫小牧地区小学生バレーボール連盟の武田純一理事長は嘆く。
1985年に女子チームとして誕生し、南北海道大会3位(2011年)、ななかまど杯(17年)優勝、道選抜優勝大会3位(19年)など実績を挙げてきた早来は、かつて20人を超える大所帯だった。遠浅、追分、早来の各小学校から通う3人の最上級生が抜け、現在は5年生1人、4年生2人と苦しい台所事情。解散や他チームとの合併など、さまざまな手段を考えてきたが、「早来で競技を続けたいという選手たちの強い気持ちがあった」(植村慎也コーチ)ことで、新年度以降も活動を継続させる。
「もっと仲間を増やして、『早来』として試合に出場できるように頑張る」と城下明依主将(早来5年)は意気込む。植村コーチは「厚真町など近隣にも募集範囲を広げながら、バレーボールに興味を持つ小学生を探したい」と話す。
公式戦こそ出場可能だが、10人以下の少数にとどまるチームも多い。苫小連では、16日に合同練習会を行うほか、4月には加盟チームが手を取り合い、市総合体育館で小学生向け競技体験会を初めて実施する。武田理事長は「子どもだけではなく、保護者にもバレーボールのよさを伝えたい。この取り組みを契機に、またチームごとで頑張れるようになれば」と話している。