将来有望な道内小中学生の卓球選手をスポンサー支援する苫小牧、千歳両市の企業が11日、千歳市内で祝勝会を開いた。昨秋の全日本選手権カデットの部(山口県)女子14歳以下シングルスを制した札幌大谷中の大久保ひかり(2年)、同校佐藤裕監督ら関係者を招待。今活動の旗振り役を担う、苫小牧市内外で回転寿司店を展開する久恵比寿の畑中稔社長、選手と企業の橋渡し役に尽力する卓球用品専門店「卓球HOUSEアラキ」(苫小牧市明野新町)の荒木泰裕代表など8人が出席し、日本一達成の喜びを共有した。
道内では珍しい中学生以下選手への個人支援活動には、2017年に名乗りを挙げた久恵比寿を筆頭に、恵千フーズ(千歳市上長都)、肉の山本(同市流通)、日本管財サービス(同市青葉)の4社が賛同している。現在は大久保のほか3選手が金銭的なサポートを受け、ラケットラバーなど用具の購入などに充当しているほか、各社のロゴマークがプリントされたユニホームも着用して大会参戦中だ。
このうちの大久保は守備重視のカットマン。小学6年時の全日本選手権ホープス(小学5・6年)女子準優勝を皮切りに、年代別世界大会女子団体優勝、シングルス3位、19年度の日本卓球協会女子ジュニアナショナルチームU15入りなど、内外で数々の実績を挙げている逸材。昨秋の全日本カデットでは「やることをやって負けたなら、次につながる」と勝ちにこだわらず、平常心でプレーできたことが奏功し、自身初の全国タイトルをつかんだ。
「想像を超えた成績を残してくれた。うれしいよりも、驚きのほうが大きい」と久恵比寿の畑中社長は喜ぶ。昨年から活動に加わった日本管財サービスの高倉博人社長も「いきなり1番になるとは思っていなかった。とにかくすごい」と目を見張った。
各大会で企業ロゴが入ったユニホームを身にまとえば自然と視線が集まるが、大久保は「注目されることがうれしい」と笑顔。用具も試合ごとに万全な状態で臨めると言い、支援への感謝は尽きない。
「オリンピックを目指して頑張って」(肉の山本・山本歳勝社長)、「次は世界一を」(恵千フーズ・石川雅人社長)と期待の声も集まるが、現時点では「まだ雲の上の場所。他選手が休んでいる、遊んでいる間に自分はどう過ごすか。もっと練習を積みたい」と大久保は決意を新たにする。
久恵比寿の畑中社長は、今後も市内外の企業にスポンサー活動の意義を説きながら、支援の輪を広げていく構え。「可能性のある子どもたちをより多く応援できる体制づくりがしたい」と意気込む。スポンサー活動に関する問い合わせは卓球HOUSEアラキの荒木代表 電話0144(57)2215。