宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組に所属していた女性団員(25)が昨年9月に急死した問題で、遺族側の代理人弁護士が27日、東京都内で記者会見し、歌劇団側が「多くの行為がパワハラに当たる」と認め、謝罪の意向を示したと明らかにした。歌劇団側はこれまでパワハラを否定していたが、一転して認める形となった。
歌劇団側は昨年11月に公表した調査報告書で、「いじめやハラスメントは確認できなかった」としていた。これに対し遺族側は、上級生が故意に高温のヘアアイロンを女性の額に押し当てるなど少なくとも15項目のパワハラがあったとする意見書を提出し、謝罪を求めた。
遺族側代理人の川人博弁護士によると、歌劇団側は今年1月24日付の書面で、交渉による合意が成立した場合、15項目のうち多くがパワハラだったと認めるとした。その上で、「(女性に)多大な心理的負荷を与えた。経営陣の怠慢が引き起こしたもので、全ての責任が劇団にある」と説明した。
川人弁護士は会見で、「劇団側がどの行為をハラスメントと認めるか言及していない」と指摘し、引き続き交渉を行うと述べた。弁護団はまた、「姉が受けたパワハラは悪質で強烈にひどい行為。姉の死を軽視し、問題を曖昧化しているとしか思えない」とする女性の妹のコメントを公表した。妹は現役の宝塚歌劇団員という。
女性は下級生のまとめ役の一人だったが、昨年9月30日に宝塚市のマンション敷地内で死亡しているのが見つかった。兵庫県警は自殺の可能性が高いとみている。