「氷上の甲子園」といわれる第18回全国高校選抜アイスホッケー大会は11~16日、ネピアアイスアリーナ=苫小牧市=など3会場で開かれた。決勝では武修館が3―0で駒大苫小牧に勝利。5度目の優勝で幕を閉じた。
大会には全国から29チームが出場しトーナメントを展開した。東胆振からは駒大苫小牧、北海道栄、苫小牧工業、苫小牧中央の4校が出場し白熱した試合を繰り広げた。
大会最多7度目の優勝を狙った駒大苫。桶谷賢吾監督が「決定力と連係の差」と話していたように、夏の段階で課題が明確になった大会。準々決勝の清水戦は苦戦も2―1で勝利。続く道栄戦は、持ち味である速いチェックを武器に試合の主導権を握り快勝した。
FWエースとして活躍したのは寺内理雲(3年)と大久保魁斗(同)。ともに高いスキルを駆使して得点チャンスを何度もつくった。技術豊富な三浦彪我(2年)や高嶋葉多(1年)と躍動した下級生も多く、冬に向けての成長に期待が高まる。
道栄は創部以来初のベスト4と歴史を一つ刻んだ大会になった。小林弘典監督は「まだまだ実力不足だが、勝負の年だと思っている」とみる。3人の韓国人留学生が各試合で攻守にわたってチームをけん引。強力な新戦力とともに準々決勝では埼玉栄に4―1で勝利。負けはしたが3位決定戦は白樺学園に4―8と健闘、「戦える―ということを選手らが一番理解したと思う」。
愛知県から来た加藤伶理(3年)はチームのエースを担うFW。攻撃の起点者は「もっと周りを生かすプレーをしたい」と話していた。
苫小牧中央は2回戦で武修館に0-8で敗れ涙。「自分たちの実力を見詰める良い機会になったのでは」と腰越雅敬監督は分析。市外チームと一戦を交えた経験が、今後大きな成長になりそうだ。
苫小牧工業は初戦で東京都選抜に9―6と競り勝ったが、2回戦で道栄に1―8と大敗し姿を消した。3年生1人と若さが目立つチームなだけに経験値の差は大きかった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響も少しずつ回復し、会場には多くの観戦客が来場。コロナ流行前の活気も選手らの背中を後押しした。