千歳川遊水地群の整備事業 高い技術に「全建賞」

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  • 2020年7月25日
表彰状と盾を前に受賞を喜ぶ千歳川河川事務所の三浦副所長

  札幌開発建設部千歳川河川事務所と江別河川事務所が12年間取り組んだ「千歳川遊水地群の整備事業」が、全日本建設技術協会から2019年度「全建賞」(河川部門)を受賞した。

   良質な社会資本整備推進と建設技術の発展を目的に1953年の創設以来、日本の社会経済活動を支えるインフラ整備や国民ニーズに沿った取り組みを顕彰。道路、港湾、都市など7部門があり、大学や民間の学識者を中心とする審査委員会が対象事業を選考する。19年度は推薦を受けた303事業中、79事業が受賞。河川部門は14事業が選ばれた。

   流域の洪水時の水位上昇を抑える千歳川遊水地群の整備事業は、泥炭層の軟弱な地盤で緩速施工やセメントミルクを注入して硬化させる基盤改良、基盤の強度を確保しながら排水・築堤する施工、掘削土と砂を混ぜる品質管理加工など高度な技術を段階的に取り入れたことが評価された。

   事業は08年に始まり、舞鶴(空知管内長沼町)、根志越(千歳市)、北島(恵庭市)、東の里(北広島市)、晩翠(空知管内南幌町)、江別太(江別市)の6カ所すべての遊水地が今年3月の工期内に整備した。総事業費は1150億円。

   千歳川河川事務所の三浦克真副所長は「栄誉ある受賞。先人の苦労と技術のおかげで治水事業を推進できたことに感謝したい」とし、「今後も流域の堤防整備が継続するが、後進に技術を継承していきたい」と話した。

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