白老の砂浜 マツカワ狙うも… フグの猛攻に意気消沈

  • 釣り
  • 2020年7月23日
一荷で釣れたリリースサイズのマツカワとイシガレイ
一荷で釣れたリリースサイズのマツカワとイシガレイ
餌を取り、針素を切って釣り人を悩ますクサフグ
餌を取り、針素を切って釣り人を悩ますクサフグ
投げ釣りの人気スポット白老海岸
投げ釣りの人気スポット白老海岸

  大物カレイを狙う釣り人のさおが苫小牧や白老の海岸に並んでいる。夏枯れといいながら初夏は海岸で座布団級のマツカワ(タカノハ)、クロガシラが期待できるためだが、今年はちょっと様子が違う。クサフグの魚影が濃いこともあり、大物の便りはあまり聞かれない。7月中旬、白老町の砂浜でさおを出した釣り倶楽部投げ担当が釣行をリポートする。

   穏やかな陽気の日曜。一帯には地元以外に札幌や帯広などのナンバーもあり、適当な間隔を開けて10組ほどの釣り人。投げ担当は餌にイソメとサンマを用意。4・2メートルの2本のさおに遊動仕掛けをセットし、いずれも上針にサンマ、下針にイソメを付けて遠近で投げ分けた。ラインはナイロン3号。

   1本目の第1投直後からさお先が激しく動いた。勢いのある当たりはマツカワの期待を膨らませる。釣りは始まったばかり、確実に乗せてから巻こう―と、2本目を投げ終えたところでさおを上げた。ラインの先には魚の重さがある。はやる気持ちを抑えながら、釣り上げたのは小型のマツカワと手のひらサイズのイシガレイ。20センチ強のマツカワはサンマの短冊をしっかりと食っていた。

   マツカワは種苗放流事業が行われている。資源保護のため長さ35センチ未満はリリースしなければならない。小さいから苦労したものの、両方とも針外しを使って丁寧に釣り針を取り、海に戻した。

   リリースサイズとはいえ、1投目でマツカワの顔を見られて「幸先がいい」と気分を良くしていたら、その後はぱたりと当たりが遠のいた。イシガレイも付かないのか? と不審に思って仕掛けを巻き上げると、1本の針が針素の途中からなくなり、もう1本は餌がきれいに取られていた。嫌な予感は的中し、ナイロンラインから伝わる小さな当たりを捕らえて上げたさおにはクサフグが付いていた。

   針素を切った魚の正体や見たり。20センチ超もあるビッグサイズ。これじゃあ釣りにならないと、早々に撤収を決め、2時間足らずでさおを畳んだ。波間に時折サバのもじりやライズもあり、海はすっかり夏の様相だ。

   「北海道の全魚類図鑑」(北海道新聞社)によると、クサフグは5~8月の大潮に大群で海岸に押し寄せ、小石の間などに産卵するという。沿岸や河口域にすみ、海底の砂にもぐる習性がある。小さくても毒性は極めて強い。秋までフグは釣り人の天敵。8月からのサケのぶっ込み釣りでは今年も対策が必要だ。

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