苫西港勇払埠頭 サビキの楽園、30センチ超のデカサバも

  • 釣り
  • 2020年7月16日
好天に恵まれ、岸壁には釣り人がずらり=10日午後、苫小牧港・西港勇払埠頭
好天に恵まれ、岸壁には釣り人がずらり=10日午後、苫小牧港・西港勇払埠頭
この日は30センチオーバーの良型サバも上がった
この日は30センチオーバーの良型サバも上がった
大嶋さんが自作した集魚板仕掛け
大嶋さんが自作した集魚板仕掛け

  「蝦夷梅雨」模様が続く7月。釣り人らのストレスも増す。その分、晴天時には釣り人も”活性”が上り、釣り場は混雑気味だ。釣り倶楽部担当は、久しぶりに快晴の空が広がった10日、苫小牧港・西港の勇払埠頭(ふとう)を訪れた。場所によってはサバやイワシがポンポンと上がり、さながらサビキ釣りの楽園のよう。

   平日にもかかわらず岸壁には30台以上の車がずらり。一列に並んださおを埠頭左岸の角から眺めると、沖合から手前に向けて順番にさおが揺れる。釣り人が急いで引き上げた仕掛けには、良型のイワシやサバが鈴なりだ。岸壁に沿って群れが回遊していて、水面に目を移すと時折100匹単位の群れが目に入る。

   良型サバも

   好釣果を上げていた男性に話を聞いた。千歳市の大嶋栄さん(72)は正午すぎに釣り座を構え、3時間ほどでイワシ、サバ合わせて約70匹とまさに大漁。序盤は10~15分置きにイワシが釣れ、やがてそのイワシを狙ったサバが混ざり始めたという。

   イワシは平均20センチ、サバは最大30センチ超の良形。「大きいのは一夜干し。小魚は圧力鍋で煮れば骨まで食べられ無駄がない」と笑顔だ。

   仕掛けにこだわり

   周囲の様子を見ていると、同じ岸壁でも釣果に差が生じていることに気付く。どうやら回遊する魚の群れと岸壁との距離が重要なようで、さおの長さと釣果が密接に関わっているらしい。大嶋さんは、長さ7メートルと4・3メートルの磯ざおを用意。それが功を奏し、コンスタントな釣果を得た。

   記者が注目したのは、自作のサビキ仕掛け。針掛かりを重視した渓流用「ヤマメ針10号」を使い、針の周りにハゲ皮とアピール力の高いティンセルを巻き付けている。「もともと、渓流でフライフィッシングをしていた」と言う大嶋さん。フライフィッシャーは仕掛けを自作することが多いだけに、サビキはお手の物。仕掛けの上下に付ける集魚板も100円ショップで材料を購入した自作品だ。「経費節減もあるけれど、自作仕掛けで釣るのも楽しみ」と語る。

   仕掛けの幹糸はフロロカーボンの8号、ハリスは同じく4~5号と太めの作り。張りの強いフロロカーボンを使用することで糸絡みを防止するほか、歯の鋭いサバや不意の大物にも対応できる。仕掛けの予備は常に数個用意し、魚の食いが渋い場合も想定してハリスの号数が小さい仕掛けも準備している。そのこだわりが、周囲もうらやむ好釣果につながっているようだ。

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