恒久平和へ誓い新た 恵庭市戦没者追悼式 新型コロナ感染予防で屋外開催

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  • 2020年7月9日
祭壇の前で献花する遺族

  恵庭市戦没者追悼式が8日、小雨の中で市内上山口の中恵庭公園の忠魂碑前で厳かに営まれた。原田裕市長や恵庭市遺族会の関係者ら61人が献花し恒久平和を誓った。

   新型コロナウイルス感染症の感染予防から今年は会場を屋外に移し、自由参拝の形式で執り行った。忠魂碑には日清、日露、日中戦争や先の大戦で戦禍の犠牲となった337人の名が刻まれている。

   市長は式辞で「悲惨な戦争を繰り返すことのないよう平和の尊さを若い世代に語り継ぎ、子どもたちが健やかに育つ恵庭創造のため一層努力する」と誓った。

   恵庭市遺族会の佐伯昇会長(78)は「災害、疫病、平和の守りと国は困難の危機にある。享受する平和と繁栄が多くの尊い犠牲の上に築かれたことを忘れず、魂を奮い立たせ困難を乗り切り、平和と文化を守る」と決意を述べた。

   戦後75年が経過し、戦後生まれの参列者の中に高齢の遺族の姿も。祭壇に白菊を手向け静かに祈りをささげていた。

   硫黄島で父親を亡くした市内住吉の三浦孝治さん(87)は長年硫黄島での遺骨収集や調査に参加している。「きのう、7月13日からの硫黄島派遣の中止が決まった。国のために亡くなられた方の慰霊は残された者の役目。できる間は続けていく」と語った。満州に出征した父親を亡くした市内柏陽町の橋本順子さん(88)も「追悼式がある限り足を運びます」と話した。

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