厚真町は18日、2024年度防災図上訓練を役場本庁舎や町総合福祉センターなど周辺公共施設で実施した。町や胆振東部消防組合、苫小牧署などから職員や署員計96人が参加。震度6の地震が発生したと想定し、津波の到達や家屋の損壊、負傷者の発生などの情報を収集して状況の変化を把握し、災害対策本部会議で報告する流れを確認した。
21年度から毎年続ける取り組み。今回は道とネットワークで結び、気象情報などの伝達を受ける「北海道情報防災システム」の活用や同消防組合厚真支署に導入されたドローンで映像を伝送することによって、より多くの情報を収集して共有し、災害対策本部の実効性を向上させることを目的とした。
訓練は午前8時30分に浦河沖を震源とした地震が発生し、その後、大津波警報が発令されたと想定。町職員たちは庁舎正面玄関入り口前にホワイトボードと机を並べ、上厚真や浜厚真など7地区に避難指示を出した後、情報収集を始めた。「美里や新町で崖崩れが発生した」「津波で逃げ遅れた人がいる」などの情報が入るたび、職員がホワイトボードに詳細を書き、一方でパソコンにもデータを打ち込んで情報を共有した。
同10時30分からは町総合福祉センターで災害対策本部会議を開き、職員が同本部の本部長を務める宮坂尚市朗町長ら出席者に、被災状況の概要を説明した。
現場などからの情報は2時間30分で約300件受け、状況変化に対応した。
訓練を見守った渡島総合振興局の橋本義伸危機対策推進幹は「緊急時に重要な情報を本部長に報告し、速やかに災害応急対策の実施につなげることができていた」と評価。宮坂町長は「訓練でドローンの電波が途切れることがあった。反省点は把握して課題の解決、評価された点は熟度を上げなければならない」と話した。
町は26年度、町民も参加する総合防災訓練の実施を予定している。