青学大、2年連続8度目V 大会新記録、2位は駒大 大会MVP野村(青学大) 箱根駅伝

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  • 2025年1月4日
2位でゴールする駒大の小山翔也=3日、東京・大手町
2位でゴールする駒大の小山翔也=3日、東京・大手町
1位でゴールする青学大の小河原陽琉=3日、東京・大手町
1位でゴールする青学大の小河原陽琉=3日、東京・大手町

  第101回東京箱根間往復大学駅伝競走は3日、21チームが参加して神奈川県箱根町から東京・大手町までの復路(6~10区、109・6キロ)が行われ、青学大が10区間合計で10時間41分19秒の大会新記録をマークし、総合連覇を果たした。2015年の初制覇から11年間で8度目の頂点。

   青学大は往路2位の中大に1分47秒差をつけて復路をスタート。6区の野村昭夢(4年)が区間新記録の快走で差を広げ、危なげなく逃げ切った。復路は従来の記録を上回る5時間21分18秒で、駒大に次ぐ2位だった。

   駒大は復路を5時間20分50秒の新記録で制し、2分48秒差の総合2位。昨秋の出雲駅伝と全日本大学駅伝を制した国学院大は3位で、史上6校目の3冠を逃した。4位以下の早大、中大、城西大、創価大、東京国際大、東洋大、帝京大までの上位10校が次回のシード権を獲得。11位以下は順大、日体大、立大が続いた。

   最優秀選手と、新設された優勝チームの大会MVPには、共に青学大の野村が選出された。

  -青学大、今年も笑顔の輪

   青学大の1年生アンカー、小河原は満面の笑みでチームメートの輪に飛び込んだ。復路は一度も先頭を譲らず、2年連続で大会記録を更新して総合優勝。「大手町で笑おう」。選手たちで決めたスローガンを体現し、主将の田中は「最高の景色を見られてよかった」と感慨に浸った。

   6区の野村が総合連覇を大きく引き寄せた。2年連続の山下りに臨んだスペシャリストは「この1年間、56分台を目標に取り組んできた」。ハイペースで飛ばし、区間記録を30秒も塗り替える56分47秒をマーク。2位との差を4分近くまで広げ、「継続した練習が結果に結び付いた」と喜んだ。

   7区以降の選手は、伸び伸びと自分の走りに徹した。8区では塩出が2年連続の区間賞。10区の小河原も「安心して走ることができた」。区間トップの好走で締めた。

   今季の4年生は粒ぞろいだが、「とがっているので、まとめるのが大変だった」と田中。駅伝シーズンは最低でも週1回のミーティングを重ね、箱根連覇に向け意思を統一。1万メートルの自己ベストが28分を切る選手が3人生まれ、練習のレベルも高くなった。

   前回優勝メンバー10人のうち、6人が今回も出場。原監督は「確実に勝てる時に勝つことの難しさが、自信につながる。取りこぼしなく勝った」。箱根路での圧倒的な強さを今年も示し、胸を張った。

  -駒大、復路で一矢報いる

   転んでもただでは起きない、という駒大の信念を体現した。青学大が復路新記録で総合優勝を果たした直後。総合2位でゴールした駒大は青学大の記録を更新して復路優勝を飾り、一矢を報いた。

   6区終了時点で青学大との差は4分7秒。7区に起用されたエースの佐藤が意地の走りを見せた。恥骨のけがから復帰し、これが10カ月ぶりのレース。5キロ手前で2位の中大を抜き去ると、最後まで勢いを保って1時間0分43秒の区間新記録をマーク。青学大との差を1分40秒に縮め、一時は逆転優勝への機運を盛り上げた。「確実に力は付いていると実感できた。復路優勝に貢献できたのが本当にうれしい」と頬を緩めた。

   全10区間で、4年生は2区を担った篠原のみだった駒大。復路は2年の3人が8区から最後までリレーした。3年生の佐藤は「自分と(6区の)伊藤がつくった流れをいい感じでつないでくれて本当に頼もしい」と話した。

   5人が区間賞を獲得した青学大に今回は完敗。それでも今後への期待を抱かせる2日間にはなった。藤田監督は「箱根を戦う上では、もうちょっと選手層を厚くしたい」と次回をにらんだ。

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