苫小牧署竹浦駐在所に12日午前9時20分ごろ、白老町竹浦198の空き家を清掃していた同町の清掃業者から「砲弾のような物がある」と通報があり、竹浦地域は住民や竹浦小学校の全児童が避難するなど一時騒然となった。約3時間後に避難解除となり、住民らはほっとした表情をしていた。
砲弾のような物は直径約15センチ、長さ約45センチの円筒形。点火装置の信管などがなく、爆発の可能性はないと確認された。
空き家は、JR竹浦駅北口から約180メートルにある住宅地にあり、周辺住民によると、男性が1人で暮らしていたが、昨年亡くなったという。半径200メートル圏内には竹浦小や竹浦コミュニティセンターがあり、消防車両の広報とパトカー、警官の戸別訪問で住民に避難を呼び掛けた。同校の児童21人と教職員9人、同コミセンで開かれていた運動教室の参加者や住民14人は急きょ、現地から約2・7キロ北東の北吉原ふれあいプラザに避難する騒ぎとなった。
近くに住む田中照比古さん(74)は、妻と近所の女性の3人で自家用車に乗って避難。「夏も近所で砲弾のような物が見つかって驚いたが、まさか自分の家の近くでも見つかるとは」と目を丸くする。同校の千葉康弘校長は「町教委などでスクールバスを手配してくれ、平時の避難訓練の成果もあり、迅速に避難できた」と話した。
児童は同プラザで給食を、住民らも弁当で昼食を取り、午後0時半に避難解除されると、胸をなで下ろしていた。
町竹浦では7月にも、住宅の押し入れから砲弾のような物が見つかり、苫小牧署を通じて陸上自衛隊第7師団(千歳市)が回収している。町ではホームページなどで注意喚起することを検討している。