苫小牧港・東港の有料釣り施設「一本防波堤」は、2024年の営業を10月27日で終了した。今季はフクラギ、カンパチなど青物の魚影が濃く、来場者全員がルアーで青物を狙った日もあったほど。一方で期待のヒラメは実績が上がらず、魚種で明暗が分かれた。
フクラギ(ブリ)は6~10月で350匹以上を数えた。未確認のリリースもあり実数ははるかに多い。ピークは9月21、22両日で合わせて90匹超上がった。サイズも9~10月に60センチオーバーのイナダ(同)が釣れており、今季の最大は63センチ。ジグサビキで中型フクラギ3連掛けの釣り人もいた。
根魚は、春から秋までアブラコ(アイナメ)がコンスタントに上がった。7月に今季レコードの57センチが出たほか、シーズン全体で50センチ超が4匹釣れた。秋に集中するトウベツカジカは、10月中旬から下旬の半月で43匹だった。
一方、振るわなかったのがサクラマスとヒラメ。サクラマスは4月第1週から釣果が上がり順調な出足を思わせたものの、アメマスを含めたマス類で6月までに27匹にとどまった。23年は釣果が相次ぎ、今季に期待が大きかったヒラメはわずか1匹。ただ、沿岸の刺し網漁ではヒラメの漁獲が急増しており魚はいる。「一本防メソッド」的な攻略方法を確立したい。
こうした中で注目されるのは、6月15日に釣れた57センチのババガレイ。かつて一本防波堤周辺にポイントがあったことを踏まえれば、狙って釣る対象魚になり得る。今季は投げ釣りの来場者が少なかったが、仮に来季ババガレイ狙いの投げ釣りが増えると釣果はどうなるか、気になる。
青物の釣果増など釣れる魚種の変動について、施設を運営する苫小牧港釣り文化振興協会の森田忠志理事は「海水温の上昇、潮流の影響がある。遊魚船など沖の釣りではもっと劇的に変化している」と言う。来季の魚種や釣果を見通すことは難しく、そこに面白さと期待もある。
今季の施設入場者は2461人。前年対比で約500人減ったという。入場料金の値上げが影響したもよう。明村享会長は「魚種によって釣れた釣れなかったはあるが、無事故でシーズンを終えられたのが何より」と振り返った。
来季は4月5日から開放する予定だ。