自社ブランド「丸駒ぬかチップ」を発売 千歳の丸駒温泉旅館

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  • 2020年5月22日
初代初太郎氏も食べたであろうヒメマスのぬか漬けを商品化

  千歳市幌美内の丸駒温泉旅館(佐々木義朗社長)が、採卵後の支笏湖産ヒメマス(支笏湖チップ)をぬか漬けにした自社ブランド商品「丸駒ぬかチップ」を発売した。ご飯のおかずにも酒のさかなにもなる商品で、佐々木社長は「支笏湖チップのブランド化の一助になれば」と話している。

   支笏湖でのヒメマスふ化増殖事業は、1894(明治27)年に原産地の阿寒湖から移植されて始まった。愛称の「チップ」はアイヌ語の「カパチェプ(薄い魚)」に由来する。

   毎年秋には支笏湖漁協が親魚を捕獲し、採卵作業を行っている。採卵後の親魚は近年、魚醤(しょう)にするなど支笏湖地域で商品化が進んでおり、丸駒も自社ブランドとして親魚を活用したぬかチップを企画。製造は水産加工会社、小樽丸庄水産(札幌市)に委託した。

   ヒメマスのぬか漬けはかつて、食料が乏しくなる冬場の貴重なタンパク源だった。佐々木社長は、祖母で丸駒2代目のヨシヱ氏もヒメマスを漬けていた記憶をたどり、創業者の初太郎氏も「冬場には食べていたのではないか」と話す。商品化には、冷蔵庫がない時代の初太郎氏の生活を振り返る意味もある。

   焼いて食べるほか、身をほぐしてパスタや茶漬け、三平汁に入れるなど、さまざまな料理に使用できる。佐々木社長は「(釣り解禁期間の)6~8月の旬だけでなく、通年でヒメマスを味わっていただきたい」と話す。

   丸駒温泉旅館内の売店で販売している。2匹入り1300円(税込み)。問い合わせは同旅館 電話0123(25)2341。

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