ワームを使ったロックフィッシングの場合、釣れる大切な要素の一つがリグ(仕掛け)。その多くはバスフィッシングの流れをくみ、ロック担当の記者も釣り雑誌やインターネット配信の情報などを参考に試行錯誤している。今回は初心者が取り組みやすいオーソドックスなものを紹介したい。
定番の「ジグヘッドリグ」
リグの基本はシンカー(重り)とフック(針)。両者が一体となっている「ジグヘッドリグ」、別々に組み合わせて使う「テキサスリグ」がその代表。初心者には簡単にできるジグヘッドリグを薦める。
大切なのはワームとジグヘッドのサイズだ。各メーカーでは、ワーム本来の動きを損なうことのないフックのサイズを推奨しており、パッケージやホームページなどで確認できる。最近は、インターネットで釣り方を含めた「動画配信」をしている場合もあるので、参考になる。
根掛かり対策に有効 「テキサスリグ」
テキサスリグで使われるシンカーは、素材別に鉛やブラス(真ちゅう)、タングステンなどがあり、比重や硬さに違いがある。タングステンは比重が重く「小さくて重い」リグを組むことが可能だ。風の抵抗を受けづらく飛距離も出るが、高価なために根掛かりによる紛失が怖い。慣れるまでは、鉛やブラス製が安心だ。
一方、針は「オフセットフック」と呼ばれる独特の形状をしたものが最もよく使われる。決められた通りにワームをフックへ通すと、針先が表面に出ない仕様となっており、根掛かりのリスクを減少できる。特に、磯などの海藻が生い茂った場所や岩の隙間などを狙う穴釣りに有効だ。
こちらもワームの大きさや形状に合わせてさまざまな種類・サイズがある。パッケージなどを参考に対応サイズを選び、実釣を重ねる中で自分に合ったものを見つけていきたい。
初心者にお薦め 「ダウンショットリグ」
ここまで基本的なリグを紹介したが、ロックフィッシュの技術は日進月歩で日々、新たな釣り方が生まれている。記者も釣具店に足を運ぶと、新商品とともに新たな釣り方を紹介したポップ広告などを見掛け、”魚より先に人が釣られる”さまを身をもって体感している。
そんな記者が、ジグヘッド以外で初心者にお薦めする仕掛けが「ダウンショットリグ」。ライン(釣り糸)とオフセットフックを結んだ下にシンカーを組む釣り方で、昔からバスフィッシングで重用されている。カレイなど投げ釣りの「胴突き仕掛け」や「針が1本だけのサビキ釣り」をイメージした方が分かりやすいだろうか。
この釣り方では、シンカー部分だけが着底するために岩場などでの根掛かりが軽減される。さらにワームが底から少し浮いた状態にあるため、海底付近にいるターゲットの魚が食い付きやすいように感じる。
記者は、磯場で釣りをする際にこのリグを好んで使用する。中でも、陸から少し離れた岩の周りなどへ遠投する場合、周囲に居着いた魚には効果的と考える。その釣り方も至って簡単だ。仕掛けの着底後にラインを張った状態で「放置」「軽くさお先を動かす」「ゆっくりリールを巻く」など、単純な操作でオーケー。
磯以外にも港内の岸壁沿いや穴釣りにも適しており、釣り方がいまひとつ分からない初心者も最低限”ラインを張った状態”を維持できれば釣果が期待できる。また、最近はオフセットフックに直接シンカーを組んだ「直(じか)リグ」と呼ばれる釣り方も人気だ。参考にしてほしい。