5、6月は毎週水曜日に一斉休漁  需要減で出荷量調整 苫漁協

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  • 2020年4月30日

  苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、飲食店などで水産物の需要が減っている現況を踏まえ、5、6の両月は毎週水曜を一斉休漁することを決めた。新型コロナの影響が見通せない中、出荷量を調整して価格の回復を待つ。

   毎週水曜はもともと日曜と同様、苫小牧公設卸売市場や札幌中央卸売市場などが休みの「市場休」のため、道内他地域では休漁するのが慣例。苫小牧は水産物の取り扱いが多く、特産のホッキがノルマ制で水揚げしていることもあり、水曜でも「開市日」や出漁日を設けている。

   ところが新型コロナの影響で全国的に水産物の取引価格は低迷し、高級食材のホッキを筆頭に大打撃。刺し網漁も春先のメインとなるカレイは、2月の水揚げ量が20トン、金額も1000万円を超えたのに対し、3月は水揚げ量が41トンと倍増しながら、金額は約970万円にとどまった。

   カレイは全道的な豊漁もあって値崩れを起こしたとみられ、苫小牧漁協も3月から刺し網漁を「水曜定休」にして魚価の回復を待ったが、4月も価格の低迷は継続。ホッキは5、6両月休漁にするため、刺し網漁の水曜休漁も続けることを申し合わせた。

   苫小牧漁協は「買い支えしてもらっているが、新型コロナの影響もあって現実は厳しい」と指摘。「卸売市場、仲買人が一丸となって乗り切りたい」としている。

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