帰省者消え人影まばら 空も海もラッシュなく 異例の大型連休開始

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  • 2020年4月29日
例年のにぎわいは消え、降り立つ人がまばらな新千歳空港国内線ビル=29日午前9時ごろ
例年のにぎわいは消え、降り立つ人がまばらな新千歳空港国内線ビル=29日午前9時ごろ
ビジネス客が目立つ苫小牧港・西港フェリーターミナル=29日午前10時55分ごろ
ビジネス客が目立つ苫小牧港・西港フェリーターミナル=29日午前10時55分ごろ

  新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛が呼び掛けられる異例の大型連休が29日、始まった。緊急事態宣言が全国に出されていることもあり、例年なら多くの観光客や帰省者らでにぎわう新千歳空港や苫小牧港のフェリーターミナルも人影はまばら。出迎える家族の笑顔もなく、足早に移動する人たちの姿が目立った。

   大型連休期間(29日~5月6日)、新千歳と羽田、関西、伊丹、福岡、神戸などの空港を結ぶ主要幹線の予約率(22日現在)は、新千歳着の下りで日本航空(JAL)が33・1%、全日本空輸(ANA)は9%。通常なら多くの路線が90%前後の予約率となるだけに落ち込みが際立っている。

   この時期の国内線到着ロビーは例年、レジャー目的の家族連れや学生の姿が目立つが今年は作業着、スーツ姿のビジネス客がほとんど。家族の入院見舞いなど急用で道内入りする人もいたが、観光客の姿は少ない。苫小牧市での仕事で訪れた仙台市の会社員男性(59)は「機内は乗客が10人ほどでがらがら。こんなに人の少ない空港ビル内を見るのも初めて」と驚き「皆、外出を控えているということ。自分も感染しないよう注意したい」と語った。

   苫小牧西港フェリーターミナルも帰省者を出迎える家族らの姿はほとんどなく、閑散としていた。フェリー各社によると、大型連休期間中の予約は前年の5割から8割減。仕事で訪れた人たちは足早にトラックや乗用車に乗り込み、目的地に向かった。

   太平洋フェリー「きたかみ」(1万3694トン)は午前11時ごろ、乗客132人と乗用車68台を乗せて仙台港から到着。旅客定員(535人)、乗用車の収容台数(146台)とも半分にも満たなかった。

   山形市の福祉施設職員、板垣賀登(しげと)さん(41)は来月札幌市内にオープンする福祉施設に勤務するため、きたかみで来道。「船内に観光客の姿は少なかった。札幌も新型コロナの感染者が増えているので気を付けたい」と話した。

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