春の大型連休が目前に迫り、例年ならばレジャー計画に心が浮き立つ時期。しかし今年は、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、16日には政府が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大。「3密」を避けることや不要不急の外出を控えるよう広く呼び掛けている。今はともかく緊急事態が明けた後には、家族サービスや気分転換も兼ねた”釣り”を選択肢に考えている人も多いのではないだろうか。
特に、4月下旬から6月にかけて道内各地はロックフィッシングが最盛期を迎える。天候次第で、普段足を運ばない磯での大物釣りも楽しめる。釣り担当記者も、本道が同宣言の特定警戒地域に指定される前の4月中旬、少し早いものの日本海の磯で息子(11歳)と娘(7歳)とファミリーフィッシングを楽しんだ。100キロを超える長距離ドライブとなったものの、眼前に広がる日本海でさおを振り、家族で最高の気分転換となった。
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今回は、初心者でも簡単に楽しめる穴釣りを選択した。子どもたちは、手返しの良さから5~6フィートのルアーロッド(さお)、岩などへのこすれに強いフロロカーボンライン(2号)を使用した。ワーム(疑似餌)は2インチほどの小型で、テール部分が水の抵抗でひらひらと動くカーリーテールタイプのグラブを選択。海藻などへの根掛かり対策として針先が隠れるテキサスリグを組んで、岩と岩の狭い隙間などに落とし込み、仕掛けをちょんちょんと動かして誘いを掛けた。時折、手元に伝わる手応えがあるものの、魚の食いが浅いため、途中から重さ5グラムのジグヘッドに変更。海藻への注意が必要でも針掛かりがよく、釣果につながった。
午後3時すぎに磯へ入り、2時間ほどで体長10センチ前後のクロゾイやカジカの幼魚が数匹釣れた。そんな中、ふと足元に目をやると岩陰に何やらうごめく黒い触手。正体は体長30センチほどのタコだ。危険を察知したようですぐに岩場の奥へ姿を消してしまった。
時期が早いだけに思わぬ貧果となったものの、初めての磯釣りに子どもたちは終始笑顔。家族で夕日が沈む日本海の眺望も満喫し、家にこもってばかりの平日の鬱憤(うっぷん)を晴らすことができたようだ。
日本海の海沿いには温泉施設も多い。温泉と併せて日帰りの休日の過ごし方としては最高ではないだろうか。
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磯に限らず海での釣りは、ライフジャケットの着用が必須。海中転落の危険性がある場所(波をかぶっている、足場がぬれているなど)を避けるほか、潮の満ち引きで足場が水没することもあるため、定期的に周囲の状況を確認することが大切。良い思い出にするためにも、安全第一で楽しみたい。