よもや世界人口の4割超に外出制限がかかるとは誰が想像しただろう。新型コロナウイルスの感染拡大防止で各国政府が国民へ自宅にとどまるよう呼び掛けた。海外ニュース配信会社によると、その数は3月29日時点で33億8千万人に上るという。長期化はもはや避けられない情勢だ。
このウイルスはどのように世界へ広がったのか。日本経済新聞ホームページの「新型コロナウイルス 感染マップ」が視覚的に分かりやすい。毎日の感染者数と死亡者数を世界地図に点と数字で表示するシンプルなつくり。人数が増えると点が大きくなり、カーソルを合わせると国別の内訳が表示される。1月11日を起点に定期的に最新のデータへ更新しており、画面下に並ぶ日付を進めるとその変化が動画のように見える。言い換えれば、中国・武漢市以外で感染者が確認されて以降、わずか2カ月余りで世界各地に流行していく状況が一目で分かる。2日現在で4万5千人超の死者を発生させ、ウイルスがまん延している危機的な状況が、現実として続いていることを物語っている。
国内では東京都で感染者が急激に増加。北海道は落ち着いたようにも見えるが、まだ油断は禁物だ。先日取材した苫小牧市医師会の沖一郎会長は「全国が同じ状況。命を守る行動を」と強く訴える。新年度を迎え、人の動きは徐々に活発化する。改めて緊張感を高めなければならない。(隆)