そんな中、記者が注目するのがロックフィッシング。軟らかい素材でできた「ワーム」やプラスチック製のハードルアーを使い、その手軽さから若者を中心に”釣り女”(釣りを楽しむ女性の愛称)も愛好家が多いゲームフィッシングだ。
苫小牧近郊は道内有数の人気フィールド。港や磯周りに生息するアブラコ(アイナメ)やソイ、ガヤ(エゾメバル)などをターゲットに、昼夜を問わず釣りを楽しむことができる。
ここ数週間は「新型コロナウイルス」の影響から外出を控える動きが続いているが、釣りは屋外の広いフィールドで気分転換できる選択肢の一つ。この機会にロックフィッシングにチャレンジするのもいいのではないだろうか。
ロック担当の記者は一足早く春の魚たちと戯れるため、今月中旬の白老港へ足を運んだ。午後8時すぎに現地へ到着すると、周囲はすでに暗闇に包まれ、常夜灯が水面を照らしている。夜の釣りの基本は、必ず手元や足元を照らすライトが必要。万が一に備えてライフジャケットの着用や単独行動を控えるといったことも大切だ。港は漁業者などが利用しており、作業の邪魔になる行為や立ち入り禁止場所への進入は避けたい。
◇常夜灯は1級ポイント
ターゲットはソイとガヤ。いずれも夜行性のため、日没から港内を回遊し、水面付近で捕食するパターンが多い。中でも常夜灯周辺は1級ポイント。光の届くぎりぎりの範囲にルアーを投げると、時折、手のひらサイズの魚影が向かってくる。とはいえこの季節はまだ水温も低く、潮の満ち引きにもよるが海底付近でじっとしていることも多いようだ。
実釣開始から10分ほど。2インチ前後のワームで仕掛けを作り、岸壁の際へキャストして海底まで沈めると”もそっ”というわずかな当たり。急いで合わせを入れて釣り上げた1匹は24センチのシマゾイだった。室蘭方面ではよく見掛けるが、白老より東では珍しい。黄色の魚体にうっすらと横じまが美しい。
いきなりの珍客に気分を良くしたが、その後は手のひらサイズのガヤが数匹釣れたのみ。いかんせん港周り特有の寒さに1時間ほどで納竿(のうかん)した。日中の暖かさに油断せず、まだまだ万全の防寒対策が必須だ。
今回は夜間の釣りだったが、日中も岸壁沿いでアブラコや小型のソイなどが手軽に釣れる同港。気分転換の”ちょい釣り”に最適だ。
春が近づき”三寒四温”の言葉がぴったりな時期。苫小牧近郊では、一足先にチカやニシンなどのサビキ釣りが花を咲かせ、日本海や道南は春ボッケ(ホッケ)の好釣果に沸いている。