どうにか食い止めようと、予防手段などを発信しているが、また人命を奪う火災が起きてしまった。13日付の本紙社会面でも「異例のハイペース」と現状をまとめ、予防策も詳報したが、昨夕、今年に入って4件目が発生。苫小牧消防本部などが原因を調べているが、防ぐ手だてはなかったかと悔しさを感じている。
日々の出来事を追う私たちは、悲しい現場にも立ち会う。忘れられないのは10年ほど前に苫小牧市内で起きたアパート火災。幼い子ども3人が命を落とした。「アパートの前で、きょうだいが仲良く遊ぶ姿をよく見掛けた」―。当時、周辺住民から聞いた話は今も鮮明に覚えている。命に関わるさまざまな場面を取材して思うのは、ちょっとした油断が思わぬ事態を引き起こしてしまうという現実。ほんの少しの注意で危険を遠ざけられることを知ってほしい。
北海道は今、全国で最も新型コロナウイルスの感染患者が多い。政府の要請に基づく感染防止対策が進み、苫小牧ではきょうから3月8日まで小中学校の臨時休校が始まった。市内では出歩く人も徐々に減っている。それだけ外出を控え、自宅で過ごす時間が長くなっているということだ。そこで気を付けてほしいのは火の取り扱い。今冬は気温が短期間で変化することが多く、冷え込みが厳しいとつい暖房機の設定温度も上げがちになる。そんな時こそ心の拍子木を打って、火の用心を―。(隆)