銀河

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  • 2019年12月9日

  「レイアウトをして、絵をかいたり、線を工夫するのが難しかった」。編集後記にこう書いたのは洸大君。本紙主催の苫小牧地区小学校学級新聞コンクールで、苫小牧北星小6年2組の「銀河」が市教育長賞を受賞した。

   良く取材している。運動会の競技種目として続いてきた一輪車レースが終わることになり、6年2組の児童たちはその歴史と変遷を調べ始める。北星小に一輪車が登場したのは約四半世紀前、日本一輪車協会から120台を寄贈されたのが最初という。歴代の卒業アルバムをめくり、一輪車が始まった頃にいた、今は別の学校の先生にも話を聞き、校長先生には「なぜ一輪車の伝統に幕を下ろすのか」と直撃インタビューした。

   新聞を読まない人が増えている。日本新聞協会の調査によると、全国の一般紙の発行部数は2000年に4740万部だったのが、18年は3682万部。約1000万部も減っている。何十年も、どうすれば新聞を手に取ってもらえるか、新聞社も業界も考えに考え、求められる報道に努めてきたつもりだが、決定打はない。

   新聞に何が必要か、「銀河」の記者たちも考え、行動した。編集後記でもう一人、花音さんはこう書いている。「6年生最後の新聞コンクールに出す記事をくいなく書けて良かった」。取材すべきことは無限にある。まだまだ新聞にやれることはある。「銀河」を読んで、そう思った。(吉)

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