厚真 ルーラルビレッジ 来春 対策工事開始へ 震災で地盤沈下発生

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高, 胆振東部地震
  • 2019年12月6日
地震によって土の中で起きた現象を説明する関係者=7月に行われた説明会から

  厚真町は来春から、昨年9月の胆振東部地震で地割れや地盤沈下などが発生した同町豊沢地区の移住者向け住宅地「ルーラルビレッジ」について、被害の原因になった地滑りと地下水の対策工事に乗り出す考えを示した。町は早ければ4月から工事を開始する予定で調整している。

   4日に同地区のルーラルマナビィハウスで行われた住民向け地区耐震化事業説明会で、概要を明らかにした。町はこれまでにルーラルビレッジ全域で、専門家を交えて地盤を細かく調査。土の中で地滑り、地下水の跡を確認し、これらの対策が必要と判断した。

   町が提示した内容は、来年4月から1年間かけて盛り土や地中に杭を打ち込み、高い所から低い所へ滑り出すのを押さえ込む工事。また、地下水対策として同5月から3年ほどかけて、道路脇に側溝や地中に排水管を設置する工事を行い、雨水や雪解け水が地中に浸透するリスクを軽減するのが狙いだ。

   町は今後、住民の同意を取り付けた上で、4月から順次工事を進めるが、参加した住民からは「また不具合が起きたらどうする」「保証はしてくれるのか」といった不安の声も上がった。説明会に出席した宮坂尚市朗町長は保証を前提とした上で、「皆さんの心配に対し、できる限り(再発の)リスクを少なく、十分効果のある工事を提示していく。納得してもらった上で進めていきたい」と理解を求めた。

過去30日間の紙面が閲覧可能です。