プロ野球北海道日本ハムファイターズは26日、胆振東部地震の復興支援を目的に厚真町の水田で育てた米の試食会を新千歳空港国内線ターミナルビル内の直営レストラン「ファイターズ・ダイニング・ロスター―デリ・アンド・ロースト―」で開いた。農作業に参加した親子8組25人が訪れ、新米の味を堪能した。
同社の復興支援活動「ふぁい田! ATSUMA(あつま)プロジェクト」の一環。町内の水田を100平方メートルから貸し出す町観光協会の農業体験事業「田んぼのオーナー」制度を活用し、5区画分の500平方メートルを賃借。参加希望の家族を募り、応募した14組44人と5月の田植えや7月の生育観察、10月の稲刈りに取り組んだ。今季の収量は道産米「ななつぼし」250キロに上った。
試食に供した献立は収穫した新米の白飯、同町産ブランド豚の冷しゃぶやロースカツなどを盛り合わせた「厚真プレート」。食後に同町産ハスカップのソースを掛けた乳製品デザートのフロマージュが出された。
会場には今年から同制度に協力し、水田を貸していた同町幌内の農業、高橋宥悦さん(54)、幸江さん(53)夫妻も招待。球団の川村浩二社長はあいさつで「地震からもう一度立ち上がろうとする人々を勇気づけたいと企画した。一粒一粒に込めた思いでなお一層おいしく感じると思う。出来栄えを確かめてほしい」と呼び掛けた。
各テーブルでは子供たちが白米をかみしめて笑顔に。千歳市新富の小学2年、黒江仁南さん(7)は「自分たちで作ったお米は甘くておいしい」と喜ぶ。高橋さんは「復興を支えたいという方々に応えようと受け入れた。皆さんにおいしいと言ってもらえて一安心」と語り、お土産に新米5キロを一家族ずつに贈った。
「厚真プレート」は12月上旬から、同店で販売予定。価格は未定。北海道日本ハムファイターズは来年度も事業を続け、被災地の復興を後押ししていく考えだ。