新旧みこし一堂に 厚真神社、2年ぶり秋季例大祭

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  • 2019年9月18日
元気いっぱいにみこしを引く子どもたち
元気いっぱいにみこしを引く子どもたち
町総合福祉センター前で行われた神事
町総合福祉センター前で行われた神事

  昨年9月6日に発生した胆振東部地震で社殿が損壊するなど大きな被害を受けた厚真神社が15、16の両日、昨年中止になった秋季例大祭を2年ぶりに開催した。16日の本大祭では小学生や神社関係者らによる「みこし渡御」が行われ、同神社にまつられて101年を迎え今回で引退となる従来のみこしと、金箔(きんぱく)が張られた真新しいみこしがそろって町に繰り出し、町民にお披露目された。

   毎年9月15、16日に開かれ、今年で114回目を迎えた秋季例大祭。昨年は直前に震度7を観測した地震で直径約50センチの柱が真っ二つに折れ、高さ6メートルの大鳥居が倒壊するなど被害を受け、例大祭自体が中止に。全壊した社殿は再建に時間がかかるため、今回はみこし渡御と参拝のみとなった。

   二つのみこしは16日午後0時30分ごろ、同神社を出発し、およそ6時間にわたって町内を回った。夕方からは町内の小学生や神社関係者ら100人を超える町民が加わり、ねじり鉢巻きを巻いたはっぴ姿の子どもたちが「ワッショイ!」と元気いっぱいの声を町中に響かせ、みこしを引っ張った。

   古くからある従来のみこしは1918(大正7年)年に札幌神社から移り、昨年で100年が経過。町の有形文化財にも指定されていることから、今回の渡御を最後に神社で保管される。一方、新しいみこしは昨年の例大祭で代替わりとして初めてお披露目される予定だったが、地震で中止となったため、今回がデビューとなった。黒沢寿紀宮司は「社殿の修理も終わっていない中だったが、みこしも出ないのは寂しいと思い、開催した。二つのみこしが並ぶのは今年が最初で最後」と感慨深げに話していた。

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