白老町議会の定例会9月会議は5日、一般質問を続行し、山田和子(みらい)、広地紀彰(いぶき)、本間広朗(みらい)、森哲也(共産)の4氏が登壇。主な質問と答弁は次の通り。
▽山田和子氏
―白老町の子どもの体力の現状について。
町「体力調査では10年前に全国平均を下回っていたが、各学校の取り組みによって小学校の男女とも体力合計点が全国平均を上回るようになった。中学校では男子が全国平均と同程度、女子は下回る結果となっているが、白老町の児童生徒の体力は年々改善しつつあると捉えている。一方で肥満の出現率は全国的な状況と同様、増加傾向にある」
―体育授業やスポーツ少年団活動の課題は。
町「竹浦小、虎杖小では2学年合同で球技の授業を行うなど、児童数の減少にありながらも工夫して授業を行っている。スポーツ少年団活動は少子化により、地域ごとの活動が難しく、統合して継続している状況にある。このため、活動場所への保護者による送迎が必要になっていることが課題」
▽広地紀彰氏
―アイヌ文化振興と多文化共生のまちづくり具現化の進展について。
町「暮らし、産業、文化の三つの共生の視点による多文化共生のまちづくりを進めてきた中、産業の共生においてはアイヌの伝統を受け継いだ商品開発の取り組みなど、アイヌ文化を生かした産業化の動きが活発化している。今後もアイヌ文化の振興と多文化共生のまちづくりを進展させるため、多くの町民が多様な価値観を理解、尊重し主体的に取り組むことができるよう機運醸成を図りたい」
―学校の適正配置について。
町「2013年に小学校適正配置計画を策定し、社台・白老地区の3小学校を統合し、16年4月に新しい白老小を開校した。今後の配置計画に関しては、当初の計画より早いペースで児童数が減少しているため、これからの時代にふさわしい学校づくりに向け、地域のさまざまな事情を総合的に考慮して子どもたちにとって望ましい教育環境の在り方を検討していきたい」
▽本間広朗氏
―白老町の水産業の現状について。
町「今年4月現在のいぶり中央漁協の正組合員数は白老地区120人、虎杖浜地区62人の計182人。平均年齢は53・5歳となっている。栽培・放流事業では、18年度実績でマツカワ16トン、ナマコ4・6トンといずれも過去最高の漁獲量となり、安定した漁業に向けて推進したい」
―観光資源としての倶多楽湖の活用にどう取り組むか。
町「18年度の倶多楽湖への観光客入り込み数の推計は10万2500人で、白老町にとって重要な観光資源、景勝地と捉えている。しかし、道が設けたトイレが使えない状況にあり、民間運営のレストハウスも閉鎖中。観光地として良好な状況にあるとは言えず、早急に対応してなければならない。倶多楽湖は、民族共生象徴空間(ウポポイ)を訪れる観光客の町内回遊性を高めるための観光拠点の一つとなるため、各種媒体を活用しながらPRにも努めたい」
▽森哲也氏
―町内の空き家の現状と対策について。
町「今年3月に町空き家等対策計画を作成し、対策に取り組んでいる。8月末現在で把握している空き家は283戸。危険な特定空き家に認定した建物はないが、管理不全のため劣化が進み、周辺の生活環境に影響を及ぼしている建物も存在する。町として助言や指導を行っているが、所有者が町外に在住していたり、相続問題などで調整が進まない状況にあり、課題と捉えている」
―認知症高齢者の見守り体制について。
町「自宅から外出後、帰宅しない認知症の人をGPS(全地球測位システム)で捜索可能なサービスを今年開始したほか、町民や関係機関と連携した見守り体制を構築している。高齢化に伴い、認知症になる高齢者の増加が予想される中、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らせるまちづくりが課題と考えている」