白老町石山地区でヒグマの目撃情報が相次ぐ中、同町の男性が8月下旬、同地区を車で走行中に遭遇し、住宅地に近い道路を走って渡る様子をスマートフォンで動画に収めた。
男性は会社役員の大西潤二さん(40)。同月26日午前11時ごろ、石山地区の萩の里自然公園前の石山大通を苫小牧方向へ車で走行中、体長約1メートルのクマを目撃。現場近くで高齢の男性が散歩していたため、安全のために声を掛けて乗車させた。
車を動かしてから間もなく、同公園に隣接する住宅団地入り口付近に再びクマが出没。車を止め、大型車や普通車が行き交う石山大通を北から南方向へ走り渡る一部始終をスマホの動画機能で撮影した。
クマが向かった先は住宅地のため、大西さんは車で後を追い、屋外にいる住民に危険を知らせた。「とにかく驚いた。人に被害が出なくて良かった」と振り返る。
大西さんが目撃したのは若いクマとみられる。石山地区では8月下旬から今月にかけて目撃情報が相次いでおり、町は2日から、事故回避のため同公園の園路を封鎖した。3日も石山地区で目撃された。石山地区を流れる川や森林帯を利用して、同じ個体が市街地と森を行き来している可能性もある。
人への警戒心が薄く、堂々と人里へ姿を現す行動は、全道的に目立つようになったヒグマの傾向でもある。町や猟友会は連日パトロールを続け、地域住民に警戒を呼び掛けている。
(写真はいずれも8月26日に大西潤二さん撮影の動画から)