日が短くなった。日中はまだ暑さが残るのだが、もうあの真夏の勢いはない。気が付けば二百十日も過ぎて、9月に入った。道端に咲いているキバナコスモスも、初秋の風に揺れている。
歳月は容赦なく流れる。8月下旬に札幌で週末に2週続いた、二つの野党の道連定期大会を取材して、そう感じた。自民党を下野させた、あの真夏の「政権交代」選挙から10年目を迎えたのだという。今夏の参院選道選挙区に国民民主党から出馬し、落選した原谷那美さんとも久し振りに会った。10月から新千歳空港内で臨時職員として働くことが決まったと聞き、「よかったね」と話した。政治決戦に敗れた人たちは、日常生活という現実が待ち受ける。
道連定期大会出席のため来道した国民民主党の玉木雄一郎代表は、強烈な風が吹いて民主連立政権が誕生した年の初当選組だ。「あの躍動感と熱狂を鮮明に覚えている」と言う。その後、野党に転落して既に7年。「反省と模索の日々から、そろそろ次の政権交代に向けて準備する時期に入った」と話す。衆参両院で立憲民主党、社会保障を立て直す国民会議との統一会派結成へ詰めの協議に入った。
立憲民主党道連の逢坂誠二代表も、道連レベルでの再結集へ国民民主党に秋波を送る。一昨年の衆院選で分断された旧民主・民進勢力。安倍1強の対抗軸として、ようやく分断から再結集への動きを加速させようとしている。(広)