来月から豚の搬入開始 ビィクトリーポーク登別農場 年間2万2千頭の出荷目指す

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  • 2019年8月31日

  苫小牧市樽前で樽前湧水豚などを生産するビィクトリーポーク(本社後志管内仁木町、中岡勝社長)は、建設中の登別農場(登別市来馬町)で来月から豚の搬入を始める。段階的に頭数を増やし、2020年秋から本格的な出荷体制に入る。樽前農場と合わせた年間出荷頭数は7万2000頭としており、道内屈指の規模となる見通しだ。

   同社は1953年に創業。2003年に苫小牧市樽前に樽前農場を開設した。仁木町の同社農場で繁殖させた子豚を樽前農場で肥育し、出荷している。年間出荷頭数は5万頭。規模拡大や感染症などのリスクを分散させるため新農場の建設を決定し、昨年夏から造成工事を行っている。道の補助金を活用し、総事業費は20億円を超える。

   登別農場は今月20日に豚舎7棟のうち2棟(奥行き87メートル、間口25メートル)が完成。9月2日に仁木町からケンボロー種の豚1000頭を搬入する計画。母豚約700頭を選別し、繁殖させるという。準備を進めてきた中岡亮太常務は「ようやくここまで来ることができた」と心境を語る。

   新農場は10月に完成し、従業員を6~8人配置する。また、農場内にはデンマーク製の機械を導入し、自動制御で洗浄作業を行い作業負担を軽減するという。飼育頭数は1万1000頭で、21年には年間出荷頭数2万2000頭を見込む。

   新農場の開設に地元の期待も大きい。登別市農林水産グループによると、市内の養豚農家は2戸。担当者は「特色のある商品を開発してもらうと登別のPRにつながる。必要なことがあれば手伝いたい」と歓迎する。

   中岡常務は登別農場の新設について「まず経営を安定させることが大事。登別市と連携して新ブランドを考えていきたい」と話した。

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