NHK朝ドラ「なつぞら」効果 柳月「あんバタサン」 苫小牧でも完売続く

  • ニュース, 主要
  • 2019年8月30日
NHK連続テレビ小説「なつぞら」に似た菓子が登場し、あんバタサンの完売が続く売り場=柳月イオンモール苫小牧店

  菓子製造、販売の柳月(十勝管内音更町)の十勝産粒あんとバタークリームを使用した菓子「あんバタサン」が人気を集めている。NHK連続テレビ小説「なつぞら」に似た菓子が登場したことがきっかけで注目度が高まり、苫小牧市内の2店舗でも入荷後すぐに完売する状況が続いている。

   ドラマでは、俳優の山田裕貴さん演じる小畑雪次郎が開発した設定の菓子「おバタ餡(あん)サンド」が8、9両日に登場。登場人物がおいしそうに食べるシーンが放送された。

   同社によると、あんバタサンは2018年6月に発売。道内43店で取り扱っているが9日のなつぞら放送後、全国各地から問い合わせや注文が殺到し、9、10両日のインターネット注文数は前年同期の10倍に達したという。

   同社はお盆期間の需要期に合わせ、あんバタサンの生産量を通常の2~3倍に高めたが製造が追いつかず現在もインターネットの注文後、商品発送に2週間ほどかかる見通し。

   なつぞらの主題歌スピッツの「優しいあの子」にちなんで6月19日にスタートさせた十勝の魅力を広める企画「優しいあんこ」(連続テレビ小説「なつぞら」応援推進協議会主催)の影響で、同社のこしあんを使用したまんじゅうも前年比で2割ほど多く売れている。

   同社企画開発室は「全国から注文が相次ぎ、十勝の知名度の向上につながる。小豆は十勝の特産で、生産する和洋菓子の魅力が伝わってうれしい」と喜ぶ。

   柳月イオンモール苫小牧店(柳町)では開店前にあんバタサンを30個以上仕入れているがドラマや広告を見た客が連日押し掛け、午前9時の開店後、30分で完売する日もあるという。限定パッケージで包装した4個セットが人気で、従業員の伊東汐里さん(22)は「もともと女性に人気の菓子だが、なつぞらの反響は大きい」と語る。

   コープ苫小牧パセオ店(川沿町)でもあんバタサンはドラマ放送後の10日ごろから午前中に入荷しても、その日のうちに売り切れる状況が続く。主に50~60代の女性が来店し、買い求めており、従業員の横山柚さん(20)は「早い日だと開店後10分で完売したこともある」と言う。

   イオンモール苫小牧店であんバタサンを購入しようとした市内明野新町のパート従業員、後藤美千代さん(59)は「苫小牧で完売しているとは知らなかった。別の機会に購入したい」と話した。

過去30日間の紙面が閲覧可能です。