厚真 森林の在り方学ぶ 胆振林業青年部設立記念講演会

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  • 2019年8月30日

  胆振管内の林業に携わる若手メンバーでつくる「胆振林業青年部」が6月下旬に発足したことを記念した講演会が27日、厚真町総合福祉センターで開かれた。林野庁北海道森林管理局の新島俊哉局長が「森林資源が充実してきた今だからこそ考えなければならないこと」と題して森林が果たす役割などを説いた。

   講演会には管内の林業関係者ら約150人が参加した。新島局長は、江戸や明治時代の森林が育っていない時期の山の絵や戦中戦後間もない頃の写真を示しながら、「過去、1000人以上の死者、行方不明者が出た風水害は森林が育っていない時期に起きている」と指摘。そこから自然災害を防ぐために継続してきた植樹活動など、先人たちの努力について話した。

   また、数字上のデータから森林は人工林を中心に毎年約7000万立方メートル増えていることを挙げ、「現在、森林資源は充実している」と説明。ただ、その一方で「これからの対応によっては道を誤ることになる。数字を当てにしてはいけない」と警戒心を強め、「(成熟木を切る)主伐をしても再造林させなかったり、再造林しても一気に伐採してしまったら、同様の惨事を繰り返してしまう」と指摘した。

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