富裕層向けの観光振興を手掛ける「ラグジュアリージャパン観光推進機構」(東京)の宮山直之代表理事を講師に迎えた講演会が25日、登別グランドホテルで開かれた。
宮山代表は富裕層の現状について、「全世界で増えている。旅行好きな人が多く、コロナ禍で一時低迷したが、コロナ前の水準まで回復してきた」と説明。訪日富裕層は「今後5~10倍まで増えるのでは」との見解を示した。
ただ、国内宿泊は▽3ベッドルーム以上の部屋が少ない▽食のアレルギー・タブーに対応していない▽高付加価値な体験コンテンツが少ない―など、「訪日富裕層のニーズを満たしていない宿が多い」と課題を指摘。地方ができることとして、3ベッドまたは4ベッドルームの設置、著名なレストランの誘致、高付加価値の体験の提供などを挙げた。富裕層を中心に観光客の回復が著しく、不動産投資も活発に行われている後志管内ニセコ町の現状も報告した。
講演会は、一橋大学大学院ホスピタリティ・マネジメント・プログラム(東京)による研修の一環。社会人学生30人が参加し、訪日富裕層のニーズなどに理解を深めた。