白老町は22日、室蘭地方気象台の職員による樽前山火山講話を町総合保健福祉センターで行った。民間防災グループのしらおい防災マスター会の会員や町民17人が、火山防災官宇内克成さん(40)の話に耳を傾けた。
苫小牧市などでつくる樽前山火山防災協議会が同日、市役所を主会場に実施した樽前山火山噴火総合防災訓練の一環。
講話では、宇内さんが樽前山の噴火の歴史や現在の状況などを説明。噴火した場合は積雪が噴火の熱で解け、土砂を巻き込んだ融雪型火山泥流が発生するなどのメカニズムなどを解説した。気象庁では噴火警報などの情報発信に努めているとし、「有効に活用を」と呼び掛けた。
白老山岳会の会長も務める同マスター会会員の鈴木靖男さん(83)=町竹浦=は「警戒を怠らない意味でも、専門家による講話の機会を町民に定期的に提供してもらえたら」と話していた。
同訓練は10年ぶりで、冬季開催としては初めての実施。被災者役の参加者を市樽前から白老町まで運ぶ広域避難訓練も行われた。