判断材料

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2024年10月14日

  庭の草木も赤茶色に染まり始めた。朝晩の冷え込みにもう冬支度が始まるのだろうと実感する。毎年迎える季節の移ろいが情感あふれるのとは対象的に、政治の変化は劇場型になるのだろうか。3年ぶりの衆院選挙が、あす公示される。すでに選挙の前哨戦は始まっているが、27日の投開票日に向けて12日間の本格的な選挙戦がスタートする。

   争点は何か。選挙のたびに問われる。自民党派閥の裏金事件に端を発した政治とカネの問題か。国民の怒りが収まっていないこの問題への審判が下されるのは間違いない。裏金をつくっていた候補者が当選したらみそぎは済んだと、ノーサイドになるのだろうか。

   石破茂首相が4日の所信表明演説の最後にこう締めくくった。国民が政治について「そのうち忘れてしまうだろうとなどと思ってはいないでしょうか」。この表現を、自民が国民に対してのことだと置き換えてみたら妙にしっくりくる。

   ただ、この問題だけで政党と候補者を選ぶにも違和感がある。物価高対策、安全保障への対応、経済対策など判断する項目は幾つもある。それをどう優先順位を付けていくのか。じっくり考える材料を本紙でも発信していく。いずれも、票を投じなければ物事は動かない。(昭)

過去30日間の紙面が閲覧可能です。