手軽に楽しめる海の釣りといえば、短いさおを使った穴釣り。堤防や岸壁から足元のブロックや石の隙間などに仕掛けを落として根魚を狙う。魚がいれば反応は早く、断然楽しい。子どもの頃に覚えた釣りの原点に戻ったようで面白い。
出掛けたのは室蘭。白鳥大橋の南側のたもとの南防波堤は根魚、平物、青物の好ポイントで、根魚なら防波堤の周囲でアブラコ(アイナメ)やソイの実績があり、しかも入釣しやすい。防波堤外海側は消波ブロックが積まれてあり、防波堤の壁とブロックの隙間が根魚の絶好のすみかだ。
タックルは、モバイルロッドと呼ばれる6フィートほどの振り出しざおに3000番台のスピニングリールを装着。ブロックの根ずれを想定してリーダーはナイロン3号をつないだ。
仕掛けは中通し重りが針(丸セイゴ14号)の上に付いたブラクリ。リーダーの先に八の字結びで輪を作り、輪をブラクリにくぐして直結して準備はオーケー。餌は、苫小牧の海岸のジギングで釣れた30センチほどのサバの身の短冊とイソメ。サバは塩で締めてエビ粉をまぶして冷凍していた。
いよいよ釣り開始。仕掛けを投入する穴はできるだけ深い方がいい。防波堤の上から探った3カ所目の穴が深めで、リールから出るラインが止まったところで誘いを開始。チョンチョンとさおを動かすと”秒”で魚信。すかさず合わせたが、掛からなかった。合わせるのが早過ぎたか。
さお先がしっかり絞られてからあおることにして、再び誘いをかけるとやはりすぐに反応。さお先がしっかり入ったところで合わせた。上がってきたのは20センチほどのソイ。ライトタックルでさおは細いから、魚が小さくても手応えは十分だ。穴釣りは、魚のいるところに餌を投入する攻めの釣り。いれば魚は積極的に食い付く。反応がなければどんどんと穴を変えていく。
今度は餌をイソメに変えてみた。それでも同サイズのソイが反応した。穴を変えて探ってもソイが来る。反応はサバの方がやや早いようだ。そこで再びサバを針に付けてみると、今度はガヤ(エゾメバル)が連続して掛かった。サイズはやはり20センチ前後。しばらく交互に餌を替えてトライしてみた。結局、サイズアップはならずアブラコの顔も見られなかったが、魚影の濃さは実感した。
穴釣りは魚との距離感が近い。今回は全てリリースサイズだったが、アブラコなら、良型をキャッチできることもあるから侮れない。ライトタックルならではのさおのしなりと、すぐに結果の出る穴釣りの反応を満喫してさおを畳んだ。
足元が不安定なブロックの上は、危険回避のため乗らない。ライフジャケットを着用して安全第一で楽しみたい。