大相撲で歴代最多45度の優勝を誇り、日本相撲協会を退職した元横綱の白鵬翔さん(40)=モンゴル出身=が9日、東京都内で記者会見し、「今の自分が置かれている状況を考えると、外の立場から力を尽くすことがいい。悔いは全くない」とすっきりとした表情で言った。
今後は「相撲を世界に広げていくプロジェクトを中心に活動する」と説明し、現役時代から主宰する少年相撲の国際大会「白鵬杯」を基にした「世界相撲グランドスラム」構想を発表。新会社を設立する予定で、トヨタ自動車がスポンサーに名を連ねる見通しが示された。
白鵬さんは昨年2月、弟子の暴力事案により無役の年寄へ2階級降格などの処分を受けた。その後、師匠を務めていた宮城野部屋は閉鎖、弟子らと伊勢ケ浜部屋へ転籍した。処分解除の見通しが立たない中、今年3月に退職を決断したという。
同じ伊勢ケ浜一門の親方らから慰留されたが、退職の意志は固かった。転籍先だった伊勢ケ浜部屋は、9日付で元横綱照ノ富士が師匠に。折り合いが悪いとされていたモンゴルの後輩について「照ノ富士の下が嫌だとかは全くない」と述べた。