ドジャースのユニホームを着て初めて立つメジャーのマウンド。大谷は本拠地の大歓声を全身で浴びながら、思い切って腕を振る。投打の二刀流にこだわり続け、待ちに待った瞬間を迎えた。
エンゼルス時代の2023年9月に右肘の手術を受け、ドジャースに移籍した24年は指名打者に専念。史上初のシーズン「50本塁打、50盗塁」を達成し、2年連続3度目の最優秀選手(MVP)に満票で選出された。
打者として輝かしい成績を残した昨年だったが、その裏では厳しいリハビリに取り組んでいた。「過程は楽しいことばかりではない。進むところがあれば後退するところもある」。思うようにいかない中で、試行錯誤しながら投手として戻ることを目指した。
今年2月のキャンプでは、早期復帰を目指してブルペンで投げ込む姿があった。その後、打者として開幕に照準を合わせるため、一度調整のペースを落とし、3月下旬に投球練習を再開。5月後半から実戦形式の打撃練習に3度登板し、ようやく準備が整った。