第2回定例道議会は20日、本会議を再開して一般質問をスタートした。鈴木直道知事は「本道経済は不安定な国際情勢、物価・エネルギー価格の高止まり、人手不足などに直面。道民生活や事業者の経営環境は厳しい状況が続いている」との認識を示した。国が「重点支援地方交付金」の積み増しを行ったことを受け「道は経済対策推進本部会議を開催。物価高緊急経済対策の着実かつ効果的な執行を図るとともに、交付金を活用した必要な支援を検討するよう私から指示した」と説明。当面の物価高の影響緩和に必要な対策を早急に取りまとめ「所要の補正予算案を今定例会に提案していく」との姿勢を示した。中野秀敏氏(自民党・道民会議)の質問に答えた。
この他、中野氏は「米国の新たな関税政策によって、北海道の食の輸出拡大に影響することは避けられない」と指摘し、「道は今後、食の輸出拡大戦略をどのように展開していくのか」とただした。
知事は、米国による関税強化や、中国による水産物の輸入停止措置の一部解除の動きなど「輸出拡大に向けては、輸出先国の多角化や輸出品目の拡大を図るとともに、各国の政治経済の情勢変化で生じるリスクの対応が重要」と強調。道としては「輸出先国・地域の多角化」に向けて「新たな対象地域に欧州を加えてテストマーケティングを実施する」としたほか、「高付加価値化・品目の拡大」に向けては「商談会やプロモーションを通じ、現地ニーズを踏まえた商品づくりを推進する」と述べた。
菅原和忠氏(民主・道民連合)も米国の追加関税問題を取り上げ、「道内産業の関係者からは販売価格が上昇し、需要が低下する懸念の声が多く上がっている」と指摘し、「早急な対策が必要だ」と迫った。
知事は「道では特別相談室を設置。北海道米国関税対策会議においてプッシュ型で影響を調査しながら、今後の見通しへの不安の声、1次産業への影響などを共有し、地域の実情を踏まえた対応について国に要望してきた」と説明。日米協議の状況など先が見通せない中、道としては引き続き国に対し「外交交渉や地域への影響を最小限に抑える対策を求めるとともに、今後の動向を注視しながら道内経済への影響の把握に努め、対応していく」との姿勢を示した。
物価高対策で新たな補正予算を提案する姿勢を示した鈴木知事=20日、道議会庁舎・議場