1年間私の文章を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。
書かせていだだいた文章を振り返って、私が書いた内容の多くは「人とのつながり」に関してだったと思う。日常の生活では忘れがちだが、改めて文章にすると、私はたくさんの人に支えられ、かわいがられ、助けてもらっているということを実感する。
人に親切にされた経験がある人は、人に親切にできる、というお話を聞いたことがある。それなら、人に親切にするには、自分に親切された経験が必要ということになる。その意味でも、私は自分が親切にされたことを感じ取れる人になれたらいいなと思う。親切にしてもらったことを実感すると、まずは自分の喜びになる。そして、それは次に誰かに親切をするパワーになるということなのだろう。
例えば、人とのつながりや必要な福祉的支援を拒むような方へのアプローチを考える時、いかにして説得して支援を受け入れてもらうかと考えがちであるが、支援が必要だとされている人にできることを見つけ、支援する側になっていただくことで、その後、自分への支援の受け入れがスムーズになったというケースがある。支える側、支えられる側の境界線はとても不明瞭だと思う。本来そんな境界線はないのかもしれない。私の親切で喜んでくれる誰かの表情がほころんだら、私も自分が親切にしてもらった時のように支えられるのだから。
皆さんは、きょう誰に親切にしてもらっただろうか。そして、その親切が次の誰かにつながっていき、苫小牧市が温かなつながりのある街になったらいいなと思う。
(コミュニティナース・苫小牧)