太平洋側の海岸のサクラマス釣りが苫小牧などで本番を迎える中、釣り倶楽部に届いたのがサクラ狙いのルアーで釣れた55センチスケトウダラの話題。港内のサビキ仕掛けにまれに掛かるものの、浅瀬の海岸で釣れるのは珍しい。釣ったアングラーも戸惑い気味だ。
スケトウが釣れたのは市内元町の海岸。地元の58歳の男性会社員が4日朝、砂浜で釣り上げた。
男性は、まだ薄暗い午前4時前に釣りを開始。数投キャストした4時15分ごろ、遠投したルアーが着水して7、8回リールをゆっくり巻いていたところでズシッと手応えがあった。
ところが「ルアーに何かのし掛かったような、ただ重いだけの不思議な魚信」。激しく暴れるサクラマスと明らかに違い、海アメマスとも異なる。重さの割に力のない抵抗に戸惑いながら、波打ち際まですんなりと寄せて砂浜にランディングした。
男性は初め、口吻(こうふん)がとがっていたため大物ウグイかとも考えたが、体型も模様も別物でにわかに判断がつかなかった。入船町のエビス釣具店を訪れてスケトウダラと分かり、海岸のルアーで釣れたことに改めて驚いた。
スケトウは低水温で水深のある沖合を回遊する。それが4月は沿岸の水温が低いせいか苫小牧、白老の港でニシン狙いのサビキや、沖に1000メートルほど突き出た東港・一本防波堤でまれに掛かっている。
それでも浅瀬の海岸でスケトウがルアーに掛かるのは珍しい。男性もサクラなど30年来のルアー釣りの経験があるが、海岸でスケトウを釣ったのも、釣れたのを見たのもこれが初めて。
男性はこの4月、元町海岸でアメマスを3匹掛けている。いずれも今季、1軍ルアーに格上げした35グラムのスプーンの釣果で、スケトウが食ったのもこれ。ロッドは10フィート、リールは3000番台のハイギアでこれにPE1・2号、16ポンドのリーダーをつないだ。「サクラはこれからが本番。穏やかな日はスプーンでトライします」。本命はあくまでサクラマスだ。
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早朝の釣りでは近くに住宅があると騒音や迷惑駐車が問題になる。迷惑行為は慎み、釣りを楽しみたい。