早めに泌尿器科受診を 自覚なく悩む男性 妊活ED

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  • 2024年10月1日
早めに泌尿器科受診を 自覚なく悩む男性 妊活ED

  パートナーとの子づくりによるプレッシャーから勃起障害(ED)に陥る通称「妊活ED」。昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)泌尿器科の佐々木春明教授は「一般的なEDとは異なり、ご本人に自覚がないのが特徴です」と話している。

   ▽40歳以下に多い

   十分に勃起しない、または勃起が持続せず性交渉に支障が出るED。一般的なEDは、加齢の他、糖尿病や高血圧など生活習慣病に伴う動脈硬化が原因で血流障害を来す。「動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中などの原因です。しかし、心臓や脳の動脈に比べ細い陰茎動脈はより影響を受けやすく、脳卒中を起こした人の約48%はEDを合併していたとの報告もあります」

   近年、一般的なEDとは異なる妊活EDが増えているという。「40歳以下の若年者が多く、動脈硬化が原因ではなく、マスターベーションは問題なく行えるのが特徴です」。妊娠の可能性が高まる日にパートナーから性交渉を求められ、プレッシャーに感じてしまうのが大きな原因だ。仕事の疲れも相まって性交渉がうまくいかず、パートナーに受診を勧められて悩んだ挙げ句、泌尿器科を受診するケースが多いという。

   ▽治療薬で自信を

   マスターベーションはできてもパートナーとの性交渉時にのみ勃起不全に陥るようなら、「クリニックや病院のホームページでED治療を行っているかを確認した上で、早めに泌尿器科を受診しましょう」。

   治療は「バイアグラやレビトラといったED治療薬が主流。原因が精神的なものとはいえ、カウンセリングについては、「女性が早い妊娠を望んでいる場合、効果が表れるまで時間を要するカウンセリングは現実的ではありません。ED治療薬を使う方が早期に効果が期待できます」。

   年齢などの条件はあるものの、不妊治療中の男性も健康保険が適用される。ただし、インターネットなどで偽造品が出回っているため、必ず医療機関の受診を。佐々木教授が調べたところ、不純物が混入していたり、他の病気の治療薬に使われる成分が入っていたりと、危険なものも売られているという。

   「ED治療薬で症状が改善し自信が付けば、薬を飲まなくても性交渉がうまくいくようになるでしょう。気分転換にパートナーと旅行に出掛けたり、タイミング法にとらわれ過ぎず普段からスキンシップを図ってみたりするとよいでしょう。女性も、男性をいたわってあげてください」とアドバイスしている。

  (メディカルトリビューン=時事)

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   昭和大学藤が丘病院の所在地は郵便番号227―8501 横浜市青葉区藤が丘1の30。電話045(971)1151(代)。

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