葉物野菜などに多く含まれる硝酸塩が、虫歯予防に寄与する可能性があることが分かったと、東北大大学院などの研究グループが発表した。
虫歯は、口腔(こうくう)内の細菌の塊(プラーク)が作り出す酸によって起こる。一方で、プラークには硝酸塩を抗菌作用などのある亜硝酸塩に変える細菌も含まれている。
研究グループは、一般歯科を受診した患者18人(平均年齢49.6歳)からプラークを採取。プラークのみの場合と、口の中と同濃度の硝酸塩を添加した場合で酸の産生を比較した。
その結果、プラークのみに比べ、硝酸塩を添加した場合には酸の産生が抑えられていた。さらに硝酸塩を添加したプラークに、酸の産生を促す糖を加えると、硝酸塩の代謝が進んで亜硝酸塩が増えた。年齢が高いほど、この傾向は強かった。
研究グループは、硝酸塩から亜硝酸塩の産生が促され、それによって酸が抑えられたと考察。「虫歯予防法の開発につながる結果」と期待を寄せている。
(メディカルトリビューン=時事)