さて、前回まで市場で発見した知られていないもの、おいしいものについてお知らせしてきました。4年間小売市場を見てきて、お知らせしたいものはまだたくさんありますが、それはまた今度に致します。
61年間食道楽を続けてきた私は、食べ物のことは大概知っているだろうとたかをくくってきたのですが、市場ではこの根拠のない自信がぶち壊される日々でした。私の得意分野である食べ物の新しい発見が毎日のようにあり、とても楽しかったです。ただ、問題はこの発見をどうお客さまに伝えるかということでした。おいしい食べ物は感動を生みます。厳選された珍味で技術を持った職人が製造した食べ物を食すると、感激で涙が出ることもあります。この感激をどうお客さまに伝えるか? これが私の大きな課題でした。
単発的なものでは駄目です。特売を活用して商品の良さを知ってもらい、お客さまが常時何かないかと様子を見に市場に来るようになる取り組みが理想です。考えに考えた私は、自分ができることから始めようと思い立ちました。それは、愚直に継続するということです。もともとフェイスブックのアカウントがあったので、これを活用して、とにかく毎日、商品について投稿しようと思いました。しけで魚の市場に目玉となる物がなくても、とにかく継続しよう、そうすれば必ず多くの人に見てもらえると考えました。
今振り返ってみると、この「愚直に継続する」といったものが最近は少ないように感じます。結論が出ていないのに結論にしてしまって、途中でやめてしまう。こんなことが現在はたくさんあるのではないでしょうか? そう思い、私はこれで差別化を図ることにしました。(続く)
(海の駅ぷらっとみなと市場元事務局長・苫小牧)