苫小牧海岸 いよいよ秋サケ 魚影まだ薄く

  • 釣り
  • 2024年8月29日
魚影が薄いせいか休日の朝でも釣り人が少ない錦多峰川河口
魚影が薄いせいか休日の朝でも釣り人が少ない錦多峰川河口

  サケ釣りファンが熱くなる季節が到来した。胆振の人気ポイント、錦岡海岸は夜明け前からさおが並びだしている。ふ化事業が行われているため秋にサケが遡上(そじょう)する錦多峰川の河口は、例年8月下旬になると釣り人が何重にもなってさおを振る。はしりの時期特有の”銀ピカ”を狙って釣り人たちは躍起だ。

   24日の夕方と25日朝は、風と波ともにまずまずの釣り日和。釣り禁止となる河口規制(9月1日~12月10日)直前の週末をサケ釣りで楽しもうという釣りファンの中には、遠方から泊まり込みで訪れる人も少なくない。錦多峰川は、ルアーざおを抱えた釣り人ら数十人が暗いうちから河口などに立ち、左岸と右岸には「ぶっ込み」の投げ釣りのさおが並んだ。

   25日午前7時すぎに取材で現地を訪れると、この時間でも40人ほどの釣り人。実際にさおを振っていた人は十人前後で、多くは一振り終えての休憩か様子見のようだった。帰り支度の釣り人に話を聞くと、「けさ一帯で釣れたのは見えた範囲で1匹。24日は1、2匹釣れたらしい。多くの釣り人がいての釣果ですから、例年と比べると魚はまだ全然いないですね」と諦め顔。「水温は高いし、回帰が遅いのか、魚が少ないのか」と表情は曇りがちだった。

   函館市から来た30歳代の釣り人は、前日に現地入りし車中泊でこの日に臨んだ。「錦多峰川はこの時期の1番人気のポイント。実績もある。自分の中では太平洋エリアのベストの釣り場」と言いながら、想像以上に魚影が薄くて驚いたとも。「この後、ポイントを変えながら帰る。ただ、白老も伊達(黄金)も釣果の情報が聞こえてこないので、どこでさおを出したらいいか」と思案顔だった。

   錦岡海岸のサケ釣りは、お盆すぎから釣り人が次第に増え始めた。8、9月は状態の良い銀ピカの個体が多いだけに、釣りファンの熱量はとりわけ大きくなる。

   例年、サケの来遊のピークは9月下旬から10月上旬。ただ今季も気温、水温の上昇、資源量の減少など、釣りどころか秋サケ定置網漁の漁獲量やふ化事業に影響が懸念されているだけに、今後のサケの来遊状況を見守りたい。

   北海道内でサケ・マスのふ化事業が行われている河川は河口規制がある。釣りは注意が必要だ。胆振管内の河口規制の詳細は別表の通り。

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