自然の猛威

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  • 2024年8月27日
自然の猛威

  今朝は激しく屋根をたたく雨音で目を覚ました。本道上空に停滞する前線が道内各地に大雨をもたらしている。気がかりなのは、九州の南から進む強い台風10号。発達しながら移動し、27日中には「非常に強い」勢力となって西日本に最接近、上陸する可能性があるという。

   気象庁によると、最大瞬間風速は60メートル。直撃すれば一部建物が倒壊する勢いだ。進路は不確実としながらも2018年9月の台風21号に似ていると警戒を呼び掛けている。この時は猛烈な雨と強風、うねりを伴いながら四国から近畿を通過、日本海を経由して本道西部を通り抜けた。関西地域を中心に11人が死亡、走行中のトラックが風にあおられて横転するなど多数の負傷者を出した。風に流されたタンカーが関西空港と陸をつなぐ連絡橋に激突する事態ともなった。

   千歳市に居を構えていた当時、強烈な風雨が建物をたたき、電柱電線を揺らして「ヒュー、ゴーッ、ミシミシ」との音が鳴りやまず、真夜中に恐怖を感じた。街路樹の枝を引き裂き、農業用ビニールハウスにも甚大な被害をもたらした。

   台風10号の進路は不明確だが、本道接近に備え、被害を最小限に抑える準備時間はまだある。思い付く限りの手だてを整え、最悪の事態を回避したい。(教)

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