政治家と行政機関の結び付き、不思議にねじれた力関係は、外部からは本質が見えにくい。3月から北海道選出の長谷川岳参院議員と道庁、札幌市などとのあつれきが続いている。「威圧問題」と報道される力比べは大型連休後も続く。
報道によると、長谷川氏の威圧的な言動は秋元克広札幌市長が「改めていただけないか」と要請したのが問題の始まりとか。週刊誌が口火を切った。長谷川氏は会見で物言いの問題点を認め「全面的に変える」と宣言したが、それでは収まらず、鈴木直道知事も改めるように申し入れた。道は2023年度に東京へ呼びつけられた副知事など幹部職員4人の出張を62回、旅費・宿泊費を約519万円と公表。札幌市も23年度の職員の出張を延べ284回、旅費1992万円と発表し、今後の打ち合わせでは内容を録音する方針も表明。帯広市幹部が「実はうちも」と証言し飛び火の様子も見える。
「道庁マシーン」という、保守系議員と道庁など地方行政の機械的な相互扶助機構が存在した時代を思い出す。機械はさびても骨格は残っていたのか。国会議員を選ぶのは有権者。出張の必要性を認めるのも詰まるところは有権者。有権者が納得できる、暴言と威圧、追従と忍耐の結末を早く見せてほしいものだ。(水)