せんだって通勤で苫小牧市内の路線バスに乗った。普段はもっぱら自動車で、いつ以来か思い出せないぐらい久しぶり。いざ利用しようと時刻表を見て、便数の少なさに改めて驚いた。居住地から中心部に向かうには、1時間に1本。これでもきっと、恵まれているのだろう。
同じ停留所から乗ったのは、自分を含めて3人。2人席の窓側に座り、荷物を膝の上に載せたが、取り越し苦労だった。満席には程遠く、区間によっては1人だけ。思わず車内を見渡した。何とも申し訳ない気分に襲われたが、それでも空気だけを運ぶよりはましと、運賃310円を支払って思い直した。
道南バスは、市内路線バスで昨年12月に初乗り運賃を50円増の200円に、主要区間で最大140円の値上げを行い、今年4月に路線を再編した。利便性が高まった地域や時間帯もあるが、残念ながらその逆も多いようだ。今回の見直しで全体の便数は約1割減った計算だ。
ただ、背景にはそもそも利用者の減少や運転手の不足がある。公共交通を安定して維持するためのいわばぎりぎりの判断。ドル箱路線の黒字であれば、なくなるわけがない。日ごろの利用状況も鑑みて、公共交通がどうあるべきか、その在り方に思いをはせる。(金)