慢性腎臓病(CKD)患者は健康な人よりも塩味を感じにくく、無意識に塩分摂取量が増えている可能性が示されたと、京都府立医科大などの研究グループが発表した。
研究グループは、健康な人125人(平均年齢38歳、男性50人)とCKD患者70人(同66.5歳、41人)にさまざまな濃度の味覚試験を受けてもらい、検知できる塩味の濃度や嫌いと感じる濃度などを調べた。
その結果、健康な人の約5割が濃度0.6%で塩味を検知できた一方、約4割は濃度20%(海水の5倍超)でも「嫌い」と感じなかった。CKD患者では、約3割が濃度0.6%で検知できたが、濃度20%でも検知できなかった人は1割、「嫌い」と感じなかった人は約8割に上った。特に男性や義歯をしている人で、「嫌い」と感じない傾向があった。
研究グループは「本人の味覚に頼らない効率的な減塩方法の開発が必要」と分析している。
(メディカルトリビューン=時事)